A 経済学・経済政策

「情報の不完全性」が及ぼす問題を押さえよう

A経済学経済政策

アウル先生
今回は中小企業診断士試験の「経済学・経済政策」から『情報の不完全性』について説明するよ!

情報の不完全性とは?

情報の不完全性とは、各取引主体が、取引される財についての全ての情報を持っていない状況のことです。
この情報の不完全性が存在すると、取引においてさまざまな問題が発生してしまいます。

アウル先生
では、情報の不完全性が発生する例を見てみよう。

ケース①:情報の非対称性

情報の非対称性とは、一方の取引主体が、もう一方の取引主体に比べて、財などの性質に関して少ない情報しかもっていない状況をいいます。

トラ丸
例えば、「売り手」は知識・情報を持っているけど、「買い手」はそれを知らないというような、それぞれで知識・情報の共有ができていない状況のことだね。

情報の非対称性の例:中古車販売

情報の非対称性の例でよく挙げられるのが、この中古車販売です。中古車市場では、「売り手」は販売している車の品質に詳しいものの、「買い手」は車の品質を詳しく調べることができないケースがあります。

ここで、「売り手」は「買い手」がよく分からないのを良いことに、良い品質の車は手元に置いておき、悪い品質の車を積極的に売るようになります。

こうした結果、「中古車市場には質の悪い車ばかりが出回ってしまう」という例です。

アウル先生
ちなみに、「良くない」、「うまくいかない」などを英語で「レモン」といいますが、そこからアメリカでは質の悪い中古車のことを「レモン」と呼んでいます。さらに、中古車市場のように、実際に買わないと本当の品質が分からない財が取引されている市場を「レモン市場」と呼びます。

ケース②:逆選択

逆選択とは、質の良い財ではなく、質の悪い財のほうが多く市場に出回るようになるという現象です。

逆選択の例

  • 良い品質の中古車ではなく、品質の悪い中古車(レモン)が多く供給されてしまう。
  • 不健康な人ほど、保険に入ろうとする。

ケース③:モラルハザード

モラルハザードとは、当事者間で契約をした後、一方の当事者が当初予想していた行動と違った行動をとることにより、当初の意図とは異なる結果になってしまうことです。

モラルハザードの例

  • 自動車保険に入ったことで安心してしまい、かえって事故が増える。
  • 医療保険に加入して安心してしまい、不摂生な生活をするようになる。
  • 国・政府が金融機関の救済を約束したことで、かえって金融機関の経営が放漫になってしまう。

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