
中小企業の特徴
中小企業には、大企業などと比較して、以下の特徴が挙げられます。
所有と経営が分離していない
株式会社であれば、その会社の株式を多く保有している人が会社の所有権を握っているといえます。
大企業の場合、株式を多くもっている人(または企業)と経営者が一致しないケースは多々ありますが、中小企業の場合は所有者(株式保有者)と経営者が同一であることがよくあります。
会社の所有者と経営者が同一であることにより、経営判断が迅速に行えるというメリットがありますが、一方でワンマン経営になる恐れがあるといったデメリットもあります。
資金調達の手段が限られる
上場している企業であれば、市場(マーケット)から資金調達をすることができます。
信用力が高い企業であれば、社債を発行して資金調達をすることができます。
一方、中小企業は銀行の融資など、資金調達の手段が限られてしまいます。
資金の調達手段が限られているため、企業に適した条件で資金調達ができるとは必ずしも言えません。
事業活動の領域(地域)が限られる
大企業はそのネットワークを活かし、事業活動を広範な領域(地域)で行うことができます。
しかし、中小企業は資本力や人材が不足することが多く、事業活動の領域(地域)が限られてしまいます。
インターネットなどを活用して少ない経営資源でマーケットを広げるか、その地域に特化した事業を行うなど、場合によっては対応策を講じる必要があります。
経営者、従業員の役割(負担)が大きい
中小企業の多くは人材不足が経営の課題となっています。
人手が少ない分、一人一人の役割が大きくなり、結果的に経営者や従業員の負担が大きくなることがあります。
あまりに負担が大きい場合には、利益率の低い受注を減らしたり、業務の効率化を図るなどして、負担を軽減させる策を講じる必要があります。
中小企業の強み
中小企業の特徴を踏まえると、「中小企業の強み」には以下のような事項が挙げられます。
- 大企業に比べ、意思決定が迅速であることが多い
- 企業内でのコミュニケーション、情報伝達が早い

中小企業の弱み
一方、「中小企業の弱み」には以下のような事項が挙げられます。
- 経営資源(人・モノ・お金など)の質と量が不十分である

上記のような中小企業の特徴を理解して、中小企業診断士は適切な助言を行うことが求められます。