

- 「中小企業診断士は合格までにどれくらいの勉強時間がかかるのか?」
- 「どのようにタイムスケジュールを組めばいいのだろうか?」
中小企業診断士の勉強を始めるにあたって、どうしても気になってくる問題ですよね。
そこで今回は、合格までにかかる勉強時間やタイムスケジュールについて詳しくまとめてみました。
中小企業診断士 第1次試験の概要
まずは第1次試験の概要から見ていきます。第1次試験は中小企業診断士になるのに必要な学識を有するかどうかを判定することを目的とし、筆記(マークシート式)の方法により行われます。

試験科目 | 試験時間 | 配点 |
A経済学・経済政策 | 60分 | 100点 |
B財務・会計 | 60分 | 100点 |
C企業経営理論 | 90分 | 100点 |
D運営管理 | 90分 | 100点 |
E経営法務 | 60分 | 100点 |
F経営情報システム | 60分 | 100点 |
G中小企業経営・中小企業政策 | 90分 | 100点 |
試験時間で言うと、「企業経営理論」、「運営管理」、「中小企業経営・中小企業政策」の3科目が90分と、他の科目より長く設定されています。

また、第1次試験の合格基準は「(1)総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率(2)科目合格基準は満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率」となっています。
仮にストレート合格を目指すのであれば、(1)の得点バランスに気をつける必要があります。
また、最初から科目合格を目指すのであれば、(2)の60%ラインは絶対に獲得する必要が出てきます。
第1次試験の勉強時間はどのくらい?各科目の配分は?
私が第1次試験に臨んだ時は、勉強時間を1,000時間として見積もりました。
その上で、1,000時間を次のように各科目へ割り当てました。
※前提として、得意な科目は特にありませんでした。
試験科目 | 予想勉強時間 |
A経済学・経済政策 | 150時間 |
B財務・会計 | 250時間 |
C企業経営理論 | 150時間 |
D運営管理 | 150時間 |
E経営法務 | 100時間 |
F経営情報システム | 100時間 |
G中小企業経営・中小企業政策 | 100時間 |
合計 | 1,000時間 |
何故このような時間配分にしたかと言うと…
- 第2次試験と関連性が高い科目は勉強時間を多めに確保
→(参考)2次試験と関連の深い1次試験の科目とは?【科目合格戦略】 - 経済学・経済政策はテキストを見た限り難しそうだったので多めに確保
- 財務・会計は①の理由+計算問題に時間を取られるのでかなり多めに確保
上記の理由で時間を配分しました。
では、第1次試験合格までに実際、どれくらいかかったかと言うと、ザックリではありますが以下のようになりました。
試験科目 | 実際の勉強時間 |
A経済学・経済政策 | 130時間(-20時間) |
B財務・会計 | 150時間(-100時間) |
C企業経営理論 | 150時間 |
D運営管理 | 150時間 |
E経営法務 | 100時間 |
F経営情報システム | 100時間 |
G中小企業経営・中小企業政策 | 100時間 |
合計 | 880時間 |
心配していた「財務・会計」ですが、計算問題を解きながらインプットもできたので、想定よりもかなり少なくなりました。
途中でオンライン通信講座の「スタディング」を使ったのも、勉強時間の短縮に一役買っていると思います。
>>「STUDYing(スタディング)」(旧:通勤講座)の特徴・評判・口コミは?【中小企業診断士】
ただし、上記の時間はあくまでも私がかかった時間です。既に仕事などの経験で得意分野がある場合は時間が短縮できますし、苦手だと感じる科目が多い場合はさらに時間がかかると思います。
中小企業診断士は適正によって勉強時間がかなり変わるとも言われています。1度、本屋さんなどでテキストをパラパラ読んだりしてみると良いかもしれません。
中小企業診断士 第2次試験の概要
第2次試験は「筆記試験」と「口述試験」に分かれますが、対策に時間がかかるのは「筆記試験」の方です。

試験科目 | 試験時間 | 配点 |
Ⅰ.組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 | 80分 | 100点 |
Ⅱ.マーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 | 80分 | 100点 |
Ⅲ.生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 | 80分 | 100点 |
Ⅳ.財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 | 80分 | 100点 |
第2次試験(筆記試験)はそれぞれ試験時間・配点が均等になっています。
また、筆記試験における合格基準は「総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満がないこと」となっています。

第2次試験(筆記試験)の勉強時間はどれくらい?
中小企業診断士の第2次試験に必要な勉強時間は、概ね50時間~200時間程度かと思います。
“思います。”と答えたのは、第2次試験は勉強時間と合格率が単純に結びつかないからです。
なぜなら第2次試験の模範解答は、中小企業診断士協会からも正式に公表されていません。
つまり受験生は、資格予備校や通信講座、市販書の作った解答を頼りに、手探りで学習を進めていくしか手がないのです。
ここが「中小企業診断士試験は第2次試験(筆記試験)が1番の鬼門」と言われる所以です。
また、実際に勉強をすると分かるのですが、各教材に記載されている模範解答例はかなりハイレベルです。
それもそのはず、試験を熟知したベテランの先生が問題を研究した上で、恐らく何時間~何十時間もかけて模範解答例を作成しているからです。
しかし、受験生は違います。第1次試験で身に付けた知識をもとに、たったの80分で答案を作成することが求められます。
そのレベル(模範解答例)に少しでも近づこうと思ったら、やはり150時間くらいは必要なのかと思います。
しかも、そのレベルに達したからと言って合格できる保障がないのも辛いところです。
実際に私がやった勉強法と勉強時間
あまり参考にならないと思いますが、私は第2次試験の勉強をあまりしませんでした。
しなかったというより、「途中で挫折した」というのが正しいかもしれません(ちゃんと合格はしましたよ)。
私が第2次試験の勉強を始めたのは、第1次試験の解答が発表され、自己採点で合格を確信した後でした。
第1次試験の解答発表が8月初旬、第2次試験(筆記試験)の試験日が10月中旬です。勉強時間は僅か2ヶ月ちょっとでした。
最初は参考書を見て、少しでも模範解答に近づける努力をしていましたが、正解かどうか分からない解答に近づけてもあまり意味がないと思い、途中で断念しました。
代わりに、多少は間違ってても構わないので、制限時間内に解答をまとめる練習をしました。
第2次試験では決められた文字数内で解答を求められる問題が多いので、解答を頭の中で事前に整理し、素早く解答用紙に記入するといったことに重点を置きました。
その後、模範解答例と答え合わせをしましたが、それはあくまでも参考程度にとどめておきました。
そのおかげで、筋の通った答案が書けるようになり、合格に繋がったのではないかと自分では思っています(実際には質問の主旨とかけ離れた解答もいくつかありましたが…)。
また、途中から書く練習だけに絞って勉強していたので、第2次試験(筆記試験)の勉強時間は50~60時間程度で済んだと思います。
これはあくまでも私が奇跡的に合格できた方法なので、全員には当てはまらない学習方法だと思います。ただ、時間が足りないと思ったら、こういった思い切りも大事だということをお伝えできればと思います。
やはり目安は1,000時間程度
第2次試験は筆記試験の他にも口述試験がありますが、こちらはそこまで対策に時間がかかりません。
そもそも、筆記試験の合格発表後、すぐに口述試験があるので、あまり勉強できないというのが正しいかもしれません。
しかし、口述試験は“質問に対して冷静に回答できるか”が求められている気がするので、あくまでも本番勝負といった感じです。
対策といえば第2次試験(筆記試験)の問題を見直すぐらいなので、せいぜい10時間程度で済むと思います。
以上の私の体験談から言っても、やはり中小企業診断士の合格までは1,000時間程度を見ておいた方が良いと思います。
ただし、前述のとおり個人の持っている知識・経験にもかなり左右されるので、あくまでも目安としてみてください。
中小企業診断士合格までの道のりは長いですが、その分、合格した時の感動はひとしおです!
