
在庫管理の目的
企業経営を円滑に行っていくには、在庫を適切に管理し、適正在庫を維持することが非常に重要となります。在庫管理が不十分だと、資金繰りに支障をきたしたり、顧客の要望(注文)に応えられないなどの問題が発生してしまいます。

在庫が多すぎると…

運転資金の固定化
在庫は仕入れの際にお金を払いますが、売れるまでは資金化できません。そのため、在庫を多く抱えるだけ手元の資金は少なくなり、資金繰りに悪影響を与えます。
デッドストックの増加
在庫を多く抱えている時、その在庫の製品ライフサイクルが過ぎてしまうと、製品の価値が一気に下がり、デッドストックとなる可能性があります。
在庫保管費用等の増加
在庫の保管には、保管料や管理費(人件費)が発生します。また、スペースを圧迫する原因にもなります。
在庫が少なすぎると…

品切れによる機会損失
在庫がなくなってしまうと、品切れが発生し、機会損失となってしまいます。また、品切れが続くと顧客の信用度低下の原因にもなり得ます。
生産期間の長期化
ある部品がないと生産が進まないなど、在庫がないことが原因で生産期間が長期化する恐れがあります。
緊急時の発注によるコスト負担増
在庫切れで緊急に発注した場合、通常の発注に比べて料金が割高になるケースが考えられます。
発注の方式
在庫管理を適切に行うには、発注の方式を理解し、製品・商品に合わせた発注を選択することが重要になってきます。
定量発注方式
発注時期になると、あらかじめ定められた一定量を発注する方式。
定期発注方式
あらかじめ定めた発注間隔で、発注量を発注ごとに決める方式。
ダブルビン方式
同容量の在庫が入ったビン(箱・入れ物)を用意しておき、片方のビンの在庫がなくなり、もう一方のビンの在庫を使い始めた時点で発注をする方式。どちらかのビンの在庫がなくなった段階で発注を繰り返す簡易的な発注方式。
定量維持方式(補充方式)
一定の在庫量をあらかじめ決めておき、ある量を使用するたびに使用した量だけを発注する方式。
