
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)の概要
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、各事業へ経営資源を最適に配分することを目的として、ボストン・コンサルティング・グループが提唱したマネジメント手法です。
一般的には、図表の縦軸に市場成長率をとり、横軸に相対的市場占有率をおいて、自社の事業や商品・サービスがどこに位置するかを分析し、事業バランスを明確にするとともに事業構成の分析を行います。


問題児
- 市場成長率:高い
- 相対的市場占有率:低い
高い市場成長が見込めるものの、相対的な市場占有率が低い分野。市場占有率を上げるために資金流出は多くなるが、資金流入はまだ見込めない。シェアを拡大しつつ成長を高めると資金流入が増加し「花形」となる。
花形
- 市場成長率:高い
- 相対的市場占有率:高い
市場成長率・相対的市場占有率ともに高く資金流入が見込めるものの、市場成長率が高いため他社と競合し、設備投資や開発費などの資金流出が多くなる。そのため、キャッシュフローの源泉とはならない。市場成長率が低下すると、下記の「金のなる木」に移行するため、高シェアを維持し続ける努力をする必要がある。
金のなる木
- 市場成長率:低い
- 相対的市場占有率:高い
市場占有率が高いため利益が見込めると同時に、市場成長性が低く、追加投資もあまり必要でないことからキャッシュフローの源泉となっている状態。ここで生み出したキャッシュフローを「花形」や「問題児」へ投資し、新たな「金のなる木」を作りだすことが次の課題となる。
負け犬
- 市場成長率:低い
- 相対的市場占有率:低い
市長成長率も市場占有率も低く、キャッシュフローが出ないまま市場競争に負けている状態。撤退をすることで、「負け犬」で使用していた経営資源を他の事業に活かすことも検討する。
PPMにおける理想の流れ
キャッシュフローの理想的な流れ
既存の「金のなる木」で得た資金を、「問題児」や「花形」へ投資することで、新たな「金のなる木」をつくり、「金のなる木」を複数持つことが理想的である。また、新たな「問題児」や「花形」を並行してつくっていくことも重要となる。
事業の理想的な流れ
事業をはじめた当初は、成長率が高く、市場占有率の低い「問題児」となることが多い。その後、「花形」となり、「金のなる木」に移っていく。「金のなる木」が「負け犬」にならないよう、市場占有率の低下に注意する必要がある。