
マズローの欲求5段階説
「マズローの欲求5段階説」とは、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローが提唱した理論で、人間の持つ欲求を5段階で捉えたものです。自己実現理論とも呼ばれています。
マズローによると「人間の欲求は5段階で構成されていて、低い階層の欲求が満たされると、より高い階層の欲求を満たすため、絶えず成長を続ける」としています。

生理的欲求
生きていくための本能的な欲求(食べたい、飲みたい、眠りたい等)。
安全の欲求
安心な場所・環境にいたい、経済的に安定していたい、良い健康状態でいたい、危険を回避したい等の欲求。
企業(社会)において、「労働条件・労働環境が極端に悪いブラック企業」などはこの安全の欲求が満たされない可能性があります。
所属と愛の欲求(社会的欲求)
集団や社会に所属、適合し、愛情や友情を充足したいという欲求。社会的欲求とも呼ばれる。
企業(社会)においては、「メンバーとして受け入れられ、信頼できる仲間と働きたい」等といった欲求になります。
この欲求が満たされないと、ひどい時には適応障害や鬱状態になることもあるので注意が必要です。
承認の欲求(尊重の欲求)
他者から尊敬されたい、自分の存在価値を認めてもらいたいという欲求。
企業(社会)においては、「仕事で活躍して、他の人からも認めてもらいたい」等といった欲求になります。
自己実現の欲求
自己の向上、あるいは自己の潜在的な能力を実現したい欲求。
企業(会社)においては、「自分の力を最大限に発揮して、目標を達成したい。目標を達成することでさらに成長して、理想の自分に近づきたい。」等といった欲求になります。
欲求5段階説の特徴
マズローの欲求5段階説には以下のような特徴があります。
- 全ての欲求が完全に満たされることはなく、低次の欲求が満たされると、さらに上の段階の欲求が生まれれるようになり、それが動機づけとなる。
- 高次の欲求に移行するためには、現時点の欲求が完全に満たされる必要はなく、生理的欲求では85%、安全の欲求では70%、所属と愛の欲求では50%、承認の欲求では40%、自己実現の欲求では10%の達成度で移行が充足されるとしている。
- 上位の欲求が満たされないからといって、下位の欲求を一層強く満たそうとは思わない(不可逆的)。ただし、自己実現の欲求については、ある満足が得られてもさらに別の欲求が生じてくる。
モチベーション管理に活かすには?
マズローの欲求5段階説をモチベーション管理に活かすには、対象となる人がどの段階にいるのかをしっかりと見極め、その段階に応じたアプローチ(欲求を充足させるような働きかけ)を取ることが重要です。
